
海岸に測線基点を設置し、沖合にむかって測線を設置します。
この位置で海岸から約150mあります。測線の距離は藻場の広がりによって異なりますが、基本的に藻場がなくなる場所まで引きます。150mは一般的な長さです。写真の左側のブイが見えますが、末端の印です。ここから岸まで海底を調査します。
調査測線沿いに方形枠を設置し、植生と被度を観察します。関係の皆様に深く御礼申し上げます。天候にも恵まれ、計画通りに調査を終了することができました。
Introducing the topics of Japanese seaweed including research and educational activities, from the Marine Botany Lab, Department of Fisheries, Kagoshima University. www.phycollab.org/ 鹿児島大学水圏植物学研究室の調査研究を中心に、海藻・藻場関係の情報を発信しています。海産植物の自然史や藻場の保全、増養殖,食文化に関心のある方はどうぞ。

調査測線沿いに方形枠を設置し、植生と被度を観察します。
小学生からご年配の方まで、幅広い年齢層の方々が参加されました。海苔やヒトエグサはほぼ枯れてありませんでしたが、ヒジキやヤツマタモク、ナガミル、マクサなどを見ることができました。
海藻研からはA野くん、S木くん、K堀くん、私の4名が参加しました。他に、県や役場、漁業者の方々も参加しました。
藻場のあるところとないところがはっきり分かれましたが、ガラモ場とワカメ群落、テングサ群落が多く見られました。亜熱帯性のホンダワラ類では、フタエモクがよく見られました。葉の先端がカップ状になっていることで他種と区別できます。
港の近くには、亜熱帯性種の藻場が見られました。
錦江町は佐多岬と桜島の間に位置しますが、町内でも北と南で植生が異なります。最南端から北上して調査をおこないましたが、どんどん温帯性・内湾性の植生に変化しました。
泳ぎ切った学生の皆さん(港に帰る途中)
黒島では、大里港の周辺で海藻類の生育調査をおこないました。黒島では藻場分布調査を昨年6月におこなっていますので、その事後調査になります。
昨年もそうでしたが、オオバロニアが多いところです。ブドウの巨峰くらいの大きさです。
熱帯性の海藻が多く見られましたが、水中でひときわ輝いていたのがコケイバラでした。
鹿児島に帰る途中、鹿児島湾内では夜光虫の赤潮が見られました。水温の上昇に伴ってこの時期に見られますが、漁業被害をおこす赤潮とは種類が異なります。
出航前の記念写真(撮影:N呂学部長)
桜島でM2のT屋くんがライントランセクト調査をおこないました。
オゴノリの採集にウエットスーツはいりません。干潮の時間に行くと、長靴で採取することができます。
兵庫県T野町の調査で宿泊した国民Q暇村で「ホンダワラの佃煮」が販売されていました。
葉と気胞から「アカモク」と同定しました。
今年もやってきました。対岸に和歌山市が見える兵庫県南部の某所です。ここは、タマゴバロニアが群生する場所としても知られています。
タマゴバロニア
翌日は日本海側の某所で調査をおこないました。さらっと書きましたが、昨日は自動車で3時間の移動でした。
こちらはうねりの入るコンディションでしたが、第一線でご活躍の方々ですので、無事に調査を終えることができました。調査をサポートしてくれた皆様にも深く御礼申し上げます。
長島で採集したヒジキを関すると、生殖器床の表面に幼胚がついていました。
うっそうと生い茂るアカモクの森です。まさに「藻場!」ですね。
この場所は、潮間帯下部にヒジキやイソモク、水深5mくらいまで枝サンゴ、10-5mがアカモク、10-20mがアントクメの藻場になっています。一気にアントクメ群落まで潜り、K島さんがアントクメを採集します。体長1m以上になるアントクメ・・・丸めて採集するのがコツですね。この日が調査デビューでした。
水産学部の東町ステーションまで帰ってきたら、生け簀にアヤニシキが生えていました。7色に輝いています。
帰りは黒瀬戸大橋横に開店した物産販売施設に立ち寄りました。ブリやマダイが買えますが、私が買ったのはヒトエグサの佃煮です。長島町はブリ養殖で全国的に有名ですが、ヒトエグサ養殖でも有名な町です。
絶品でした。これからはここで購入することにしましょう。