十島村(トカラ列島)は,奄美大島と屋久島の間に位置する「日本一南北に長い村」です。これから数年間にかけて,トカラ列島の海藻植生調査をおこないます。
秘境中の秘境としても知られています。島への交通手段は村営定期船「フェリーとしま」のみで,週に2往復(夏は3往復の場合もあり)しかありません。
今回は,北から2番目の中之島で調査をおこないました。
夜中の23時50分に鹿児島港を出港し,中之島には朝寄港します。宿で朝食後,さっそく漁船に乗って調査に出発しました。
前日まで梅雨前線が停滞し,島にはものすごい雨が降ったそうです。島のまわりはほとんど断崖絶壁で,至るところから滝が直接海に降り注いでいます。なかなか見られないダイナミックな光景です。
雨が続いていたと思えないほど透き通った海です。M1のS木君と4年のK房さんが海藻を採集しています。
今回が初調査となったK房さんです。頑張っています。
これはフデノホではなくて,コナハダフデノホの方です。より深所に生育し,大型になる蛍光があります。フデノホとは組織構造が異なります。
島で最もよく見られたのは,ヒメシダズタでした。小型でとても美しい海藻です。緑の花のようですね。
島の周辺ではあまりサンゴが発達していませんでしたが,温泉が海中から湧き出るこの場所だけ,枝サンゴの高密度な群集がみられました。