新年度になりました。まだ積み残しの仕事がありますが,海藻研も新しい学生を迎えて新たな研究を始めます。今年は4年生4名,修士院生5名の9名,寺田の10名の体制です。
研究費も後継課題が引き続き採択になって安堵しましたが,今年度は研究以外でとんでもない仕事が入ることになりました。それは・・・研究室の「引っ越し」です。それも2回も・・・。
鹿大で最も古い老朽建築物(といっても高度経済成長期の建物)の一つだった我々の水産学部5号館ですが,柱と床を残しての大規模改修を行うことになりました。改築中は一時退去になりますので,9月から3月までは学部内の仮住まいになります。行き先はまだ未定です。
今年の学生さんには後半に多少窮屈な思いをさせるかもしれませんが,研究には支障がでないようにしますし,重要な室内実験等は8月までに終わらせます。フロリダで8月に開催されるIPC10に行きたかったのですが,やめました。
故田中・糸野両先生の書籍だけでも相当な量なのに,標本や実験機器も移動しなければなりません。学生のみなさんには研究に専念してもらうので,ひとりで少しずつ片付けを始めました。可動式の書架にはいろんなものを詰め込んでいますが・・・他大学ではあまり見ない貴重な書籍がたくさんあります。片付けを始めたつもりが,久しぶりに開く本も多く,まったくはかどりません。
まず手が止まったのが,日本藻類図譜の未製本全冊セット。製本されているものはよくありますが,未製本版は他の研究機関で見たことがありません。製本されているもの他に2セットあります。けっこうかさばります。
Agardh 1848 Species Genera et Ordines
これも全部そろっています。PDFがあるので,書籍を開くのは久しぶり。
九州大学水産植物学研究室編(1959)原色小図鑑 海そう
瀬川先生は有名な原色日本海藻図鑑を出版されましたが,こちらは小型携帯版といったところでしょうか?値段も(当時)1800円に対し,小図鑑は280円となっています。
瀬川先生が田中先生に謹呈した本であることを始めて知りました。
これらは捨てませんが,できるかぎりペーパーレス化して研究室をスリムにします。 学会誌は全巻そろっている藻類とPhycologiaを残して他は処分します。
卒業生のみなさん,なつかしい5号館が見たければ8月までにお越し下さい。